デスクリサーチは、あらゆる人に機会があるものの、思ったように情報を集められなかった、 なんてことはよく聞く話です。
新規獲得手法や事業の方向性を探るための調査など、マーケティングでリサーチが必要とされる場面はさまざまですが、結果を出すために押さえておくべきポイントはどこにあるのでしょうか。
意外と見落とされがちな基本作法をお伝えします。
目次
1.課題とアウトプットのイメージを整理、そして調査項目をリストアップ
2.必ず一次情報をチェック、複数のソースにあたり”使える情報”を取得
3.仮説の検証には反対意見も押さえて
4.最後に
こんにちは。今回は、medeluが少しわかる記事と題しまして、マーケティング的なデスクリサーチについてのエントリをお届けします。
デスクリサーチとは”既存の調査結果を収集すること”を指し、例えば、マーケティングにおけるデスクリサーチは、ニーズや実現性を探る、仮説構築のための事前調査として位置付けられることが多いです。
とはいえ、特に「Webから必要な情報を抽出し、体系的にまとめる」ということ自体は、とても一般的な作業だといえるのではないでしょうか。
というわけで、必要な基本作法を少し一般化しつつ振り返ってみたいと思います。デスクリサーチが思うように進まない、という方は改めて見直してみませんか?
1.課題とアウトプットのイメージを整理、そして調査項目をリストアップ
意外とある?NGなのは「とりあえず調べてみよう」と闇雲に調べ始めることです。
そこでハマってしまうと、無駄に時間を費やしてしまいます。
時間は有限。可能な限り初期の段階で、デスクリサーチの課題の解像度を上げておきましょう。
いま何がわかっていて、何が分からない状態かの整理が必要なら、早めに壁打ちも。
マーケティングに限らず、企画書や会議資料の作成においても同じかと思いますが、深堀りするべき方向性と求められる成果のレベルをまずはキャッチアップ。
コミュニケーションの過程で視座も高まり、見るべき調査項目が定まって、リサーチの内容と対象がマッチしていくはずです。
2.必ず一次情報をチェック、複数のソースにあたり”使える情報”を取得
情報を示すだけで「それで?」っていう残念な結果にならないように、仮説を持って取り組みましょう。
この場合、デスクリサーチ=仮説の検証です。伝えたいメッセージに根拠を与える作業になります。
なので、信頼性や妥当性に欠ける情報に価値なし、マーケティングでは使えません。
大事なのは一次情報。官公庁など公的な調査や統計・IR情報・業界団体が公表するデータ・民間調査会社のレポート・有識者による記事など、優先順位をつけて”使える情報”にあたり、価値のあるリサーチツールを日頃からストックしておきます。*
ただ一方で、コレという答えは転がっていないような情報を明らかにしなければならないケースもあります。
そんな時は、例えばファクトを組み合わせたアウトプットが有効です。
複数のソースにあたり、サンプルやどの指標を使うのかといった着目ポイントを明らかにし、偏った見方にミスリードしないよう、ロジックを組み立てることで”使える情報”になります。
3.仮説の検証には反対意見も押さえて
仮説の検証には、デスクリサーチした情報に根拠を持たせておくと、その後の議論が深くなりやすいです。
否定的な意見や、反対側の立場の視点も予め押さえておくと、アウトプットの際、より説得力が加わります。
マーケティング的には、デスクリサーチで検証しようとした仮説が有効な打ち手になるかどうかは、反対側から見た意見も含めてジャッジされますが、反対意見は、他社の失敗事例や異業界・国外での事例がヒントになることも往々にあります。
視野を広く色々な勝ち筋を検証することで気づきは多くなり、打ち手の幅が広がります。
4.最後に
最後に、リサーチツールにまつわるホットなニュースをひとつ。
2020年1月に正式公開となったGoogleが提供するデータセット検索(Dataset Search)では、世界各地の行政機関や研究所のオープンデータ(データの集合体であるデータセットとみなせるもの)を検索することができます。
普段からリサーチツールを使っていればよいですが、慣れていないとデータを見つけるのもちょっと大変かもしれません。
Dataset Searchは一次情報を「横断的に」検索できる便利なツールです。
海外、主にアメリカのデータが圧倒的多数で、日本語サイトはかなり少なく、まだまだ技術者・研究者向けな印象ではありますが、知っておいて損はないと思います。
世界の市場動向を調査しているStatista(有料)のレポートもヒットしますよ。
ハイライトレベルまでなら少し読めるので、例えば「LINEの利用率」の数字が拾えたりします。
以上、使える情報を手早く集める、ための基本作法でした。
medeluでは、ダイレクトマーケティングのノウハウから、事業ごとに最適化した勝ち筋をご提供できるようサポートして参ります。お困りの点などございましたら、どうぞお気軽にご相談下さい。
最終更新日:2024年5月16日