オンラインマーケティングの意思決定においては、従来の経験や勘を根拠とした方法ではなくデータドリブンマーケティング、つまりデータに基づいた意思決定が重要です。
そして昨今はコロナ禍の影響も相まってECサイトを通じた消費が活発になっており、オンライン上の消費者の行動データの重要性が増し、またそれらのデータも容易に取得できるようになりました。
容易に取得できるのは良い事ですが、それに伴い大量のデータが蓄積していき、それをどのように活用していくかが意思決定において最も重要なポイントとなっています。
今回は、大量のデータを活用するために役立つBIツールについてお話ししたいと思います。

目次

1.オンラインマーケティングで使われるデータ
2.ビッグデータをどう活用するか
3.BIツールとは
4.まとめ 

1.オンラインマーケティングで使われるデータ

様々な企業が色々なデータをオンライン上で収集し活用していると思います。
ECに関していえば、顧客情報(性別、居住地、家族構成、興味・関心など)や購入情報(購入日時、購入商品、購入頻度、購入金額など)、行動履歴(サイトへの流入媒体、サイト内閲覧履歴、カゴ落ちログなど)のデータを使ってマーケティング施策を検討しているでしょう。

これらの情報は従来別々に管理され、相互に関連させて活用していくことはなされていませんでした。
しかし最近はDMPなどを活用することで分断されていたデータを一元化し、分析したり広告運用に活用したりすることも容易になったことで、それらのデータをダイレクトマーケティングをはじめとする様々な施策に活用するようになりました。

DMPとはData Management Platformの略で、データを収集、管理し、外部インターフェースを通じて他のシステムで利用することを目的としたプラットフォームのことです。
例えば、自社ECを訪問したユーザーの属性情報や行動ログなど個々に管理されているデータを一つに纏め、それらを分析しマーケティングを最適化することが可能です。
DMPにはプライベートDMPとパブリックDMPの2種類があり、前者は自社サイト内のデータを活用する為に使用し、後者は第三者が提供する自社サイト以外のユーザー情報等を活用するために使用します。
其々強みが異なる為、目的に合った選定を行うことで自社に合った情報を大量に集める事が可能になります。
これらの大量かつ多様なデータのことはビッグデータと呼ばれ、近年よく耳にするためご存じの方も多いかと思います。 

2.ビッグデータをどう活用するか 

ビッグデータとは「様々な形をした、様々な性格を持った、様々な種類のデータ」を指し、データ量(Volume)・データの種類(Variety)・データの発生頻度、更新頻度(Velocity)の3つのVが重要な要素です。
最後のVであるVelocityが表している通り、日々膨大に生成され記録される時系列でリアルタイム性のあるものを指す事が多く、先ほど挙げていたサイトを訪問したユーザーの行動ログ等は代表的なビッグデータです。
つまり、DMP等を使用して収集したビッグデータを複合的に活用するという事は、膨大な量のデータからマーケティング施策の指標となるデータや傾向を見つけ出す作業が必要になります。
取りたいデータは取れたが、そこから欲しい情報をどう読み解くのか?という問題です。
せっかく良いデータが集まっていても、それらのデータを整理し意味を持たせ、活用出来なければ収集した意味がありません。
特にダイレクトマーケティング等の双方向コミュニケーションを意識したマーケティングの場合は、顧客の個性や要望を知った上でマーケティング施策を考える事が重要です。

では次に、ビッグデータの整理・分析を助ける「BIツール」についてみていきたいと思います。  

3.BIツールとは 

BIツールはBusiness Intelligence Toolの事で、企業に蓄積された大量のデータを集めて分析し、迅速な意思決定を助けるために使用されます。
BIツールは異なるデータベースにあるデータを結合し分析することが出来るため、ビッグデータの分析を行う上で多いに役立ちます。
そしてBIツールの役割は大きく4つに分けられます。

1.レポーティング
ダッシュボード等を使って情報を共有し、KPIのチェックや以上のタイムリーな検知が可能。データを可視化し、俯瞰してビジネスを見る事が出来ます。 

2.OLAP分析
OLAPはOnline Analytical Processing(オンライン分析処理)の略。蓄積したデータベースを様々な角度から解析して問題点や解決策を発見することが可能。複数のデータの関係性を複数視点から見て仮説検証や仮設確認を行えます。 

3.データマイニング
クロス分析、相関分析、回帰分析という手法を元に統計分析が可能。仮説を立てずにデータの中から法則性や関連性を導き出し、データから新たな発見を得るために使用します。 

4.シミュレーション
過去実績データの分析やシミュレーションを通して最適な数値を算出。過去のデータを基にプランニングをする際に意思決定の根拠として活用が可能です。

分析ツールというと、Microsoft社のExcelを一番にイメージする人が多いと思いますが、確かにBIツールとExcelは類似点もあります。
しかし、一番の違いは大量のデータを扱えるか?という点です。
Excelは単一データソースを使った表やグラフの作成、関数機能、個人での分析においては優位なのですが、ビッグデータを処理する場面ではBIツールの方が優位です。

BIツールの特徴として、異なるデータソースから集められたデータの結合や大容量データの高速処理、データの共有などがあります。
ビッグデータを活用する上で複数データベースのデータを使用することは大前提であり、それらの分析に特化したBIツールはデータ量が増えても処理に影響が出ないようにデータベース管理システムを採用している事が多くなっています。
また、マーケティング施策や経営方針などの意思決定をする上では複数人で同一データを見て検討するかと思いますが、BIツールではExcelのようにメール共有ではなくオンライン上で複数人がアクセス可能な設計になっている事も多く、大容量のデータ共有の面でもExcelより優れています。
またBIツールも複数社が開発し提供しており、無料・有料の金額面だけでなく機能面など様々な特徴があるため、自社の目的に合ったBIツールを導入する事をお勧めします。

弊社では、Google社が提供しているGoogleデータポータルや、Tableau(タブロー)社が提供しているTableauを活用しクライアント様のビッグデータを可視化し分析の上、ダイレクトマーケティングにどのように活用していくのか、アドバイスをさせて頂いています。
弊社が使用しているツールについては、いつか機会があればご紹介させて頂きます。      

4.まとめ

データを収集することのハードルが下がり、またデータを収集することがマーケティングを考える上で必須となった現代。
データドリブンマーケティングを行う上ではただデータを集めるのではなく、そこからどのように自社の課題や欲しい情報を見つけ、ダイレクトマーケティングを行っていくのかが重要なポイントになっています。

集めたデータに意味を持たせ、自社に合った生きたデータにする。BIツールなどを活用し、データに溺れずデータを使った顧客に合わせたマーケティング施策を行うに際し、何かご不明点など御座いましたらお気軽にお問合せ下さい。

弊社medeluでは、ダイレクトマーケティングのノウハウから、事業ごとに最適化した勝ち筋をご提供できるようサポートさせて頂きます。   

最終更新日:2024年5月16日