コロナ禍で旅行気分、とはなかなかなりませんが秋は行楽シーズンという事で今回は旅行とマーケティング、旅行のデジタル化について書きたいと思います。
ニュースでも多く報じられている通り、また皆さんも感じられている通り新型コロナウイルスの流行により旅行業界は大打撃を受けました。しかし生き残りをかけ、新しい手法などを用いて旅行業界も変容していっているようなのでその一端をご紹介していきます。

コロナ禍がマーケティングにどのような影響を与えたか?については、以前EC市場分析の視点で記事を書いておりますのでご興味のあるかたはこちらからどうぞ。

目次

  1. コロナ禍が旅行業界に与えた影響
  2. 旅行業界のデジタルマーケティングシフト
  3. 体験のオンライン化
  4. まとめ

1.コロナ禍が旅行業界に与えた影響

日本政府観光局(JNTO)の発表によると、2020年の訪日外客数は前年比87.1%減の411万5828人、出国日本人数は前年比84.2%減の317万4219人となったそうです。2021年も状況は大きく変わっていない為これらの数字は改善していないでしょう。
このように新型コロナウイルスが旅行業界に与えた影響は甚大であり、それは日本だけでなく世界各国同様です。

特にコロナ禍はいつになったら終わり、といった明確な出口も見えていませんので一過性の対策としてやるのか、長期的な施策として実施していくのかといった判断は企業にとって難しいところでしたが、結果的には長期戦となっており、旅行業界各社では様々な新しい取り組みがなされています。

今回のブログでは主にJNTOや日本の旅行会社の取り組みを中心に取り上げますが、海外主要国でもアフターコロナを見据え、アメリカの観光プロモーション組織であるBrand USAは一般消費者向けにオンラインコンテンツを提供したり、英国政府観光局はロックダウン中に楽しめる「ESCAPE THE EVERY DAY」というバーチャルアトラクション等のキャンペーンを行ったりしていました。

働き方含め、様々なことがコロナ禍をきっかけにデジタルシフトしていますが、旅行業界も例外ではありません。

2.旅行業界のデジタルマーケティングシフト

従来、各国政府観光局などは下図のように旅行先候補の比較・検討以降の各フェーズに向けて情報発信や予約などのコンバージョンへの働きかけを行っていました。

しかし予約というステップに行けない今、重要になってきているのが「比較・検討」の前段階である認知喚起、興味・関心の向上というステップです。

これは国外の旅行先だけでなく、国内の各観光地や各宿泊施設などが旅行先・滞在先として選んでもらう為に行っている施策と同様です。
気軽に旅行へ行けない今だからこそ、アフターコロナを見据えて一般消費者も次の旅行先を探しています。しかもコロナ禍前よりも十分な時間をかけてリサーチしているはずです。
各国政府観光局や各観光地からすると、いかに自分たちを旅行候補先に入れてもらい、次のステップである比較・検討に移らせるか?が第一の目標となります。

従来はパンフレットや物産展など、オフラインでのアピールも多く行っていた旅行業界ですが、コロナ禍において一般消費者とオフラインで接点を持つ事が難しくなり、デジタルマーケティングへとシフトしていっています。
以前のブログでも取り上げたように、オンラインマーケティングにおいては膨大な情報の中からいかに自社の情報を見つけてもらうかが重要になるため、各団体・各社SNS等を駆使して情報発信を行い、新規顧客への認知を強化するとともに既存顧客に対しては継続的な接触を試みています。

特にJNTOでは日本の魅力を発信するにあたり地方別、都市別にターゲットを絞り、情報やコンテンツを発信しています。
例えば東北地方の情報を探しているユーザーは自然に興味・関心が高いと分かったため、白神山地や奥入瀬渓流などを巡る自然に特化したバーチャルツアーを企画し、参加者にそれらの内容にまつわるクイズに答えてもらうなど参加型の企画を行っていました。

このように主に刈り取りに注力していたダイレクトマーケティングから、オンラインを活用してユーザーニーズを探った上で狙ったユーザーにリーチしていく、認知目的のマーケティングに注力していっています。

3.体験のオンライン化

先ほどのJNTOでもバーチャルツアーの話を取り上げましたが、旅行会社でも旅行体験のオンライン化が進んでいます。各社趣向を凝らしたオンラインツアーを実施しており、コロナ禍において人気を伸ばしているようです。
中でもHISは、オンラインツアーをコロナ禍限定の一過性施策ではなくコロナ禍後も旅行の予習として活用できるツールとして確立し始めています。参加ユーザーはオンラインツアーを通して興味のある観光地について生の情報を仕入れられるのはもちろんですが、実際に現地にいるガイドにツアーをしてもらう事で彼らのスキルを知り、旅行時はそのガイドを指定したい、といった声が増えているそうです。
このようにコロナ禍においても現地の「スターガイド」が誕生し、アフターコロナの実際の旅行への素地をつくっているのです。

外務省によると、日本の有効パスポート数は2021年2月時点で2,770万に過ぎず、国民の8割近くがパスポートを持っていません。つまり海外旅行の体験をオンライン化する事で、今までは接点を持つことが出来なかった海外旅行を考えていない層にもリーチでき、新しいビジネへと繋がっているのです。

このオンラインツアー事業には、AmazonやAirbnbも参入しているらしく今後競争が激化しそうですがオンラインだからこそ出来る新しいビジネス形態が今後も生まれてくるでしょう。

HISのオンラインツアーに関する記事はこちらから。(日経XTREND 2021年04月19日付)

4.まとめ

コロナ禍により旅行業界だけでなく様々な事がデジタル化、オンライン化しました。旅行といった実際に行って体験するものもオンライン化しており、新型コロナウイルスが与えた影響はマイナスなことだけではなかったのかもしれません。
特に最後にご紹介したHISの事例はオンラインでの体験が最終的にオフラインの旅行予約に繋がる仕組みであり、ECだけでなく今後様々な分野においてオンラインとオフラインを行き来するのだろうと感じました。

顧客とオフラインでの接点が持てない今だからこそ、ダイレクトマーケティングを行う上でオンライン上でのデータというのはますます重要になってくるでしょう。
弊社medeluでは、ダイレクトマーケティングのノウハウから、事業ごとに最適化した勝ち筋をご提供できるようサポートして参ります。お困りの点などございましたら、どうぞお気軽にご相談下さい。